一般社団法人がん哲学外来

コラム:Dr.Motooの哲学こらむ“がんと漢方”

文責・元雄良治/監修・宮原富士子

Dr.Motooの哲学こらむ“がんと漢方” vol.01

 皆さんには「漢方」という言葉を聞いて、プラスのイメージとマイナスのイメージが浮かぶのではないでしょうか。プラスのイメージとしては、病院では保険が効くので費用負担が少ない、自然の生薬からできているので体に良い印象、西洋薬にはない効果が期待される、エキス製剤は携帯できて便利である、最近はなぜ効くのかが科学的に解明されてきた、日本の漢方エキス製剤は高品質である、漢方を知っている医師は良く話を聞いて診察してくれる、などでしょうか。
 一方、マイナスのイメージとしては、薬局で買うと値段が高い、顆粒製剤が飲みにくい(味と匂い)、薬の量が多い、煎じ薬と思ってしまう、なぜ効くのかよくわからない、古くさい薬、漢方のことを知らない医師・薬剤師・看護師がいる、食前の服用のため飲み忘れる、などですか。
 皆さんが病院で処方してもらう漢方薬は「医療用漢方製剤」です。保険診療なので患者さんの負担は軽く、日本薬局方(やっきょくほう)という法令に基づく生薬が使われ、西洋医学的診断がなされた上に医師が処方します。
 一方、ドラッグストアで買うのが「一般用OTC漢方製剤」です。OTCとは、over-the-counter(カウンター越しに)という意味で、ショッピングのように処方箋なしで買うことができます。しかし、自費購入なのでかなり高価な印象があります。さらには「漢方薬局調剤漢方製剤」もあります。まず、このような「医療用漢方製剤」の特徴を知って頂きたいです。

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