Vol.17 【人生には様々な喪失があるものだから……】
一般社団法人がん哲学外来(通称「がん哲学外来」)は、がん教育の学びを哲学で考える「がん哲学の視点からのがん教育」(「哲学で考えるがん教育カフェ」改称)を毎月開催しています。カフェは既に各地でがん教育に携わる方々にご参加いただき、参加者と共に話し合う場で、がん教育の重要性が問われる中、外部講師を育てサポートすることを目的としています。
2025年10月開催のがん教育カフェは次の通りでした。
〇2025年10月4日(土) 16時~17時(WEB開催)
講師: 横井久子さん(薬剤師、グリーフケアアドバイザー)
講座: 「あなたのグリーフを聴かせてください」
10月最初の土曜日(10/4)は雨がふり続きましたが、さほどジメジメ感はなく涼しい一日となりました。この日のニュースとしては、やはり自民党総裁選で高市早苗議員が当選し、史上初の女性総裁、そして日本国の総理大臣となる可能性がみえたことです。歴史にのこる出来事となり、当事者は1年前の落選(グリーフ)を乗り越え、人生最良の日となったのではないでしょうか。
この日、がん教育カフェがオンライン開催され、薬剤師として働きながら「わかちあいの会『グリーフケア茅ヶ崎』」で活動を続ける横井久子さんが、グリーフケア研究所で学んだこと、現在の活動内容について話されました。
上智大学グリーフケア研究所では、座学が中心で哲学、宗教学、グリーフケア概論等について学びました。グリーフケアをするケア者としての心構えとしては、比べない/排除しない/私らしく、そこにいる、こと。グループワークでは、夏休みのレポートとして自分の生育歴(自分を形成するもの、考えぐせなど)があったとのことです。
グリーフケアアドバイザーとなり活動をはじめた「わかちあいの会『グリーフケア茅ヶ崎』」は、とにかく安心して話せるように「私たちはここにいます」という空気を醸しだす場を提供すること。そして、この会のグリーフケアの目的は、一人一人違う/空っぽの器でのぞむ/共通する言語・意識のベースが同じであることだそうです。
がん教育では、今年7月にも「グリーフケアについて考える」というテーマで講座を開催し(Vol.14/グリーフはいつの世も同じ)考える機会を持ちました。グリーフはがん以外の病気や事故や事件などで大事な人が亡くなったり、自身が望まないことがおきたり……様々な形で存在します。誰もが経験する可能性があるだけに、思いを話せる場はありがたい存在です。