Vol.15 【目的に向かって共に進む対話の重要性】
一般社団法人がん哲学外来(通称「がん哲学外来」)は、がん教育の学びを哲学で考える「がん哲学の視点からのがん教育」(「哲学で考えるがん教育カフェ」改称)を毎月開催しています。カフェは既に各地でがん教育に携わる方々にご参加いただき、参加者と共に話し合う場で、がん教育の重要性が問われる中、外部講師を育てサポートすることを目的としています。
2025年8月開催のがん教育カフェは次の通りでした。
〇2025年8月2日(土) 16時~17時(WEB開催)
講師: 北郷秀樹さん(がん治療相談専門家)
講座: 「対話が大切シリーズ ~小さい対話が新たな人生の扉を開ける~」
猛暑関連のニュースばかり流れる中、いつしか8月になりました。8月最初の土曜日、8月度のがん教育カフェが開催されました。この日は今年5月に「意思決定とは ―対話によって適切な治療選択が生まれる―」というテーマで話された北郷秀樹さんで、引き続きがん治療における(医師と患者の)一方通行ではない対話の重要性についてお話していただきました。
本講座の詳細は、がん哲学外来HP掲載の北郷さんご自身のコラムがアップされていますので、是非アクセスしてください。
★北郷さんのコラム「1人1人の生き方カフェ」
7月13日に放送開始されたテレビドラマ「19番目のカルテ」(日曜夜9時)は、総合診療科の医師が主人公で、「問診」をテーマにした医療ドラマです。ほかの診療科ではわからない病名を発見するために、じっくり時間をかけて対話を重ねて「病気ではなく、人を診る」医師を人気俳優の松本潤さんが演じています。深刻な医師不足の現在、長い時間まっても実際の診療時間は10分ほどというケースがほとんどではないでしょうか。短くてもしっかり自身の意思を伝えることができ、治療内容もしっかり理解でき、順調に治療効果がでているなら問題はありませんが、実際はどうでしょうか? 「あなたの話をきかせてください」と患者の顔をじっと見て話を聴く医師の姿に感動を覚えた方は少なくないでしょう。
病気を抱える患者の最大の願いは、言うまでもなく病気は治すこと。しかし、辛い治療が続くと心身ともに疲弊することでしょう。治療は修行ではありません。患者の気持ちや生き方の共有を一緒に考える医師との良好な関係性が大事なのは言うまでもありません。
※ 次回は、2025年9月6日(土)16時~17時開催です。
Vol.14 【グリーフはいつの世もおなじ】
一般社団法人がん哲学外来(通称「がん哲学外来」)は、がん教育の学びを哲学で考える「がん哲学の視点からのがん教育」(「哲学で考えるがん教育カフェ」改称)を毎月開催しています。カフェは既に各地でがん教育に携わる方々にご参加いただき、参加者と共に話し合う場で、がん教育の重要性が問われる中、外部講師を育てサポートすることを目的としています。
2025年7月開催のがん教育カフェは次の通りでした。
〇2025年7月5日(土) 16時~17時(WEB開催)
講師: 中村純子さん(がん哲学外来長野門前カフェロータス主宰
(風の谷がん哲学外来カフェ Inいちかわ)
講座: 「グリーフケアについて考える」
7月最初の土曜日、東京に限らず日本全国どこへいっても暑く、猛暑は約4ヶ月続くという予想がだされ、くじけそうになった方々は多いのではないでしょうか。さらに、日本列島が真っ赤に染まっているところへ、列島南端のトカラ列島ではずっと地震が続いていることから、地震大国で暮らしているだけに住民の方々だけでなく誰もが不安を覚えたことでしょう。
そんな中の7月最初の土曜日、7月度のがん教育カフェが開催されました。この日の講演者は長野県内でがん教育カフェを主宰する中村純子さんでした。ご家族の死を機会に傾聴ボランティア活動をはじめ、臨床スピリチュアルケア師でもある中村さんは、「グリーフケア」について研究を重ねました。この日はご自身の経験もふくめて「グリーフケアについて」というテーマで話していただきました。
がん治療の医療技術は日進月歩の勢いで進化し延命率も伸びていますが、がんは依然として日本人の死亡原因の首位となっています。そのため「がんと死」はセットのように考えられる傾向があるようです。そして、大切な人を失った方々は「グリーフ」に直面し精神面のケア(グリーフケア)を必要とします。しかしながら、グリーフはがんが日常の中にはいっていない状態でも日常的に存在します。がん以外の病気や事故や事件などで大事な人が亡くなったり、自身が望まないことがおきたり、ドラマや映画の世界でも同じです。また、子どもの頃にうけたトラウマも該当します。つまり、グリーフは人が生きていく過程のあらゆる場面で直面するもので、その本質は古今東西かわらないものです。
普遍的なものですが、グリーフを抱えた人をケアすることは容易ではありません。グリーフケアはどうあるべきなのか、中村さんはわかりやすく説明されました。傷ついた人に対して有害支援にならないように、「寄り添い、つなぐ(聴いてくれる人になる)」という基本を守りたいものです。
Vol.13 【人生と向き合うチャンスはおもいがけず与えられる】
一般社団法人がん哲学外来(通称「がん哲学外来」)は、がん教育の学びを哲学で考える「がん哲学の視点からのがん教育」(「哲学で考えるがん教育カフェ」改称)を毎月開催しています。カフェは既に各地でがん教育に携わる方々にご参加いただき、参加者と共に話し合う場で、がん教育の重要性が問われる中、外部講師を育てサポートすることを目的としています。
2025年6月開催のがん教育カフェは次の通りでした。
〇2025年6月7日(土) 16時~17時(WEB開催)
講師: 森川みかさん(薬局薬剤師、がん教育外部講師、学校薬剤師)
講座: 「健康サポート薬局として ~地域で実施しているがん哲学カフェ~」
関東地方は梅雨入りしそうでしない6月最初の土曜日は夏日の一日で、6月度のがん教育カフェが開催されました。この日の講演者は広島県内で薬局薬剤師として働きながら、「がん哲学カフェいつくしま」を主宰する森川みかさんで、薬局で行うがん哲カフェについて話していただきました。
森川さんのカフェには、たくさんの方々が集い、遠方から来られる方もいらっしゃるようです。健康サポート薬局の使命として先にはじめたのは「幸年期カフェ」で、参加者がホッとできる時間を過ごせる工夫を続けています。次に始めたのが、「がん哲カフェ」……実は、森川さんは数年前に家族をがんで失いご自身もがんサバイバーです。思いがけず日常にはいってきた不運(がん)に対し、人生は幸福な時間だけではないということを改めて意識し、人生とじっくり向き合う時間をもちました。
カフェでは、「がん哲学外来」のHPでも紹介している「言葉の処方箋」を扱い、がんという病気に関わる方々と共に考える時間を持ちます。また、アロマリップ作りをしたり薬膳料理を作ったり、無心になる時間を過ごすための工夫もしているとのことです。
6月にはいってすぐに、偉大なる野球選手で監督だった“ミスタープロ野球”こと長島茂雄さんの訃報がはいり、あらゆる媒体のメインニュースとなりました。現役時代のミスターをしらない世代でも、流れてくるニュースをみることで、この“昭和のスター”がいかに日本国民に愛され記憶に残る偉大な人であったか理解できた(る)ことでしょう。
どんなに偉業を成し遂げた方にも等しく死の時が訪れます。その日がくるまで、現在という時間をしっかり生きたいものです。
※ 次回は、2025年7月5日(土)16時~17時開催です。