一般社団法人がん哲学外来

コラム:哲学で考えるがん教育カフェ

文責・桑島まさき/監修・宮原富士子

Vol.13 【人生と向き合うチャンスはおもいがけず与えられる】

一般社団法人がん哲学外来(通称「がん哲学外来」)は、がん教育の学びを哲学で考える「がん哲学の視点からのがん教育」(「哲学で考えるがん教育カフェ」改称)を毎月開催しています。カフェは既に各地でがん教育に携わる方々にご参加いただき、参加者と共に話し合う場で、がん教育の重要性が問われる中、外部講師を育てサポートすることを目的としています。      

2025年6月開催のがん教育カフェは次の通りでした。

〇2025年6月7日(土) 16時~17時(WEB開催)

 講師: 森川みかさん(薬局薬剤師、がん教育外部講師、学校薬剤師)
             
 講座: 「健康サポート薬局として ~地域で実施しているがん哲学カフェ~」

関東地方は梅雨入りしそうでしない6月最初の土曜日は夏日の一日で、6月度のがん教育カフェが開催されました。この日の講演者は広島県内で薬局薬剤師として働きながら、「がん哲学カフェいつくしま」を主宰する森川みかさんで、薬局で行うがん哲カフェについて話していただきました。

森川さんのカフェには、たくさんの方々が集い、遠方から来られる方もいらっしゃるようです。健康サポート薬局の使命として先にはじめたのは「幸年期カフェ」で、参加者がホッとできる時間を過ごせる工夫を続けています。次に始めたのが、「がん哲カフェ」……実は、森川さんは数年前に家族をがんで失いご自身もがんサバイバーです。思いがけず日常にはいってきた不運(がん)に対し、人生は幸福な時間だけではないということを改めて意識し、人生とじっくり向き合う時間をもちました。

カフェでは、「がん哲学外来」のHPでも紹介している「言葉の処方箋」を扱い、がんという病気に関わる方々と共に考える時間を持ちます。また、アロマリップ作りをしたり薬膳料理を作ったり、無心になる時間を過ごすための工夫もしているとのことです。

6月にはいってすぐに、偉大なる野球選手で監督だった“ミスタープロ野球”こと長島茂雄さんの訃報がはいり、あらゆる媒体のメインニュースとなりました。現役時代のミスターをしらない世代でも、流れてくるニュースをみることで、この“昭和のスター”がいかに日本国民に愛され記憶に残る偉大な人であったか理解できた(る)ことでしょう。
どんなに偉業を成し遂げた方にも等しく死の時が訪れます。その日がくるまで、現在という時間をしっかり生きたいものです。

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