一般社団法人がん哲学外来

コラム:哲学で考えるがん教育カフェ

文責・桑島まさき/監修・宮原富士子

Vol.12 【医療の現場における、対話の大切さ・難しさ】

一般社団法人がん哲学外来(通称「がん哲学外来」)は、がん教育の学びを哲学で考える「がん哲学の視点からのがん教育」(「哲学で考えるがん教育カフェ」改称)を毎月開催しています。カフェは既に各地でがん教育に携わる方々にご参加いただき、参加者と共に話し合う場で、がん教育の重要性が問われる中、外部講師を育てサポートすることを目的としています。

2025年5月開催のがん教育カフェは次の通りでした。

〇2025年5月10日(土) 16時~17時(WEB開催)

講師: 北郷秀樹さん(がん治療相談専門家)

講座: 「意思決定とは ―対話によって適切な治療選択が生まれる―」

GWが終わり、ほとんどの方が非日常から日常へと戻られたことと思います。
関東地方は花粉症の心配はほぼなくなりましたが、ピークを過ぎたと思われた黄砂の飛来があり5月一杯注意が必要だと発表されました。カフェが開催された5/10は<春の嵐>が予想されましたが、幸いにも首都圏はたいしたことはなかったものの、近年の異常気象を思うと不安を覚えた方は少なくないでしょう。
そして5月は紫外線がたいへん強い時期です。既にあちこちで夏日が記録されておりますため、夏本番の猛暑に備えて暑熱順化対策も必要です。

連休明けの(5/10)に開催された5月度のがん教育カフェ、この日の講演者はがん治療相談家として40年近く活動を続ける北郷秀樹(ほんごう ひでき)さんで、がん治療における医療者と患者の対話の重要性について話されました。
がん教育カフェ(オンライン)に集うメンバーは、医師、薬剤師、看護師などの医療者がほとんどで、その他としてがん当事者やその家族です。今回お話しいただく北郷さんは、医師でも薬剤師でもがん当事者でもありませんが、がん治療に長く関与する<がんのエキスパートアドバイザー>です。

長い闘病を強いられるがんのような病気に罹患すると、言うまでもなく医療従事者(特に主治医)との良好な信頼関係が治療経過に大きく左右しますので、主治医と患者双方の円滑な対話による治療が求められます。この問題がうまくいかないと、ストレスフルな闘病となります。
本講演では、共同意思決定の環境づくりとして、「語る力」と「聞く力」の重要性について説明されました。治療を受ける側、施す側、どちらにとっても大事な問題だけに、具体的にお話しいただく機会を持つべく、あと数回ご登場いただく予定です。

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