一般社団法人がん哲学外来

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21世紀のがん哲学 樋野興夫
〜すこしの時間ご一緒しませんか?
ちょっと立ちどまり、一息つき、考えるときを持ち、歴史人に思いをはせる~

第39回 『医療職、介護職の風貌』 〜 『訪れる人を 温かく迎い入れる』 〜

2024年12月22日第14回『勝海舟記念下町(浅草)がん哲学外来』シンポジウム(主宰:宮原富士子氏:薬剤師)が開催されるようである。 勝海舟(1823-1899)と言えば江戸城の無血開城、咸臨丸での太平洋横断などで知られている。 1860年代遣米使節団(勝海舟らがいた)が、ニューヨークのブロードウエイを行進した。 彼らの行進を見物した詩人ホイットマン(Walter Whitman 1819-1892)は、『考え深げな黙想と真摯な魂と輝く目』と表現している。

新渡戸稲造(1862~1933)は『武士道』の第13章『刀・武士の魂』で【『故勝海舟伯は我が国歴史上最も物情騒然たりし時期の一つをくぐって来た人であり』で始まり、『海舟座談』を引用して、『これが艱難と勝利の火炉の中にてその武士道教育を試みられし人の言である』】と記述している。 現代の世にも欲しい人物である。『勝海舟記念下町(浅草)がん哲学外来』の存在は『医療の幕末』から『医療の維新』への時代に向けての『事前の舵取り』になるだろうと感ずるのは筆者のみであろうか? この風貌こそ、現代に求められる『医療職、介護職の風貌』ではなかろうか!

筆者は、以前、勝海舟の屋敷があった赤坂で、講演『勝海舟の胆力 〜 がん哲学外来の心得 〜』に招かれた。 母を亡くして 悩んでいるクララに対して、勝海舟の奥さん(たみ)の言葉;『悲しい時には 私達の所へいらっしゃい、一緒に泣きましょう、そしてあなたが 仕合せな時には 一緒に笑いましょう。さあ勇気をお出しなさい、—— これから先の長い年月のことは考えず、今日という日以外には 日がないと思って ただ毎日をお過ごしなさい』を語ったものである。 これは、『訪れる人を 温かく迎い入れる』心得であり、『がん哲学外来・カフェ』の理念でもあろう!

【『樋野動物園』1周年記念誌 〜個性と多様性〜】(添付)の文章に大いに感動した。
【狼(wolf=宮原富士子氏:写真添付):ネコ目(食肉目)イヌ科イヌ属に属する哺乳動物で、肉食。群れで行動し、獲物を捕まえる。獰猛なイメージですが、実はとても情に厚く、面倒見がよく、感情表現が豊かで、コミュニケーション能力も高く、ボディーランゲージで感情表現をするという狼Wolfのみやちゃんです。 みやちゃんは、浅草のかかりつけ薬剤師として地域の人の見守りをライフワークにしています。 医療や介護についている人が、面倒見る目線で支援をするのではなく、職にかかわらず医療介護福祉を地域で相談役となりつつ、地域の人も学びを忘れずにというマインドを広めています。】

【ブルドッグ(正式名はイングリッシュ・ブルドッグまたはブリティッシュ・ブルドッグ:English Bulldog、British Bulldog)=倉持雅代氏(看護師:写真添付):イギリスの国犬で、落ち着きがあり、忠実で、明るく、人懐っこくてフレンドリーな動物としてしたしまれています。 愛情深く甘えん坊のところがありますが、やや頑固で食欲旺盛です。 そのイメージそのものの(わお!)倉ちゃんは在宅で過ごす方に関わる看護師として訪問でも診療所でも、地域でも、夜の飲み会でも人恋しく出回ります。頼れる存在であれるようウルフみやちゃんとともに地域を巡回してまーす。(それにしても、いつの間にか動物園が開園されていたことにびっくり!)】

第38回 『役割と使命の遂行の実践』 〜 『冗談を本気で実現する胆力』 〜

2024年12月15日(日)は、2008年からスタートした『東久留米がん哲学外来・カフェ』(wifeが小学校の校長を勤めるCAJ:クリスチャン・アカデミー・イン・ジャパンChristian Academy in Japan)に赴いた。 初めての参加者もおられた。 筆者は、個人面談の機会も与えられた。 大変貴重な時となった。

今年(2024年)の最後の『東久留米がん哲学外来・カフェ』で、来年の予定のチラシ(添付)も配布された。 何時も、お菓子を準備するWifeは、今、アメリカ合衆国ワシントン州Lakewoodに在住の娘家族の孫の世話で訪問している(筆者は、年末年始に訪れる予定である)ので、会場を用意してくださったKBFのJessica Bauman牧師と、スタッフの『心温まるおもてなし』には、ただただ感謝である。

『東久留米がん哲学外来・カフェ』の後、 2007年開始した『読書会』(東久留米駅前のEast Sideカフェ)に出席した。『読書会』は、内村鑑三(1861-1930)著『代表的日本人』(鈴木範久訳)と新渡戸稲造(1862-1933)著『武士道』(矢内原忠雄訳)を交互に進めている。 『武士道』(1889年)&『代表的日本人』(1908年)は、共に英語で書かれているところに、『新渡戸稲造・内村鑑三のスケールの大きさ=真の国際人』がうかがい知れよう。

今回の『読書会』の箇所は『武士道』の第6章『礼』であった。 担当の野澤登美子氏と萩原恵子氏は、徹夜で音読の練習をされたことであろう! 真摯な美声で音読される姿には感動した。 改めて、音読で進める読書会の重要性を実感した。まさに『礼=他人を思いやる心=人と共に喜び、人と共に泣く』である! 想えば、今回の箇所は、2011年1月9日、2014年12月14日、2018年4月15日、2020年10月15日、2021年11月28日、2024年12月15日で、6順目である。 何回読んでも、新しい学びが与えられる。 継続の大切さを実感する日々である。 今年(2024年)の最後の『読書会』で、来年の予定のチラシ(添付)も配布された。 感動した。

筆者の読書遍歴は、思想家 内村鑑三、教育者 新渡戸稲造、政治学者 南原繁(1889-1974)、経済学者 矢内原忠雄(1893-1961)の全集である。『限りある人生を充実させるためには、良き師に出会う、良き友に出会う、良き本に出会うことが大事だ』の学びである。 戦後初の東大総長である南原繁は、内村鑑三と新渡戸稲造に大きな影響を受けた。 筆者は、南原繁没後30年にあたる2004年にスタートした南原繁研究会の3代目の代表を仰せつかっている。 今年(2024年)は【南原繁研究会発足20周年、さらには南原繁没後50年】でもある。

『読書会』の後、隣りのインド料理店ルチアで参加者【大きな目のムツゴロウ & 聞き上手な・セキセイインコ & のんきなカチガラス & とら;虎】らと定例の夕食会の時を持った。 ニュースレターが作成される予感がする。 真摯に熱意を持って継続的に活動されているスタッフには感服する。 自分の『役割と使命の遂行の実践』である。 新年(2025年1月)の読書会の後、カラオケ大会が企画されるとのことである。 皆様の『冗談を本気で実現する胆力』には、心が大いに癒される。


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