一般社団法人がん哲学外来

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21世紀のがん哲学 樋野興夫
〜すこしの時間ご一緒しませんか?
ちょっと立ちどまり、一息つき、考えるときを持ち、歴史人に思いをはせる~

第2回 『21世紀の懸け橋 〜 “がん哲学” 〜』

私の故郷は、人口約37名(空き家60%)の島根県出雲市大社町鵜峠(うど)である。 隣の鷺浦(さぎうら)と合わせて、『鵜鷺(うさぎ)』(小学校 & 中学校は廃校)と呼ばれている。 713年に編纂が命じられたという『出雲国風土記』にも登場する歴史ある地でもある。

想えば、2013年『新渡戸稲造(1862-1933)没80周年記念』として、新渡戸稲造が国際連盟事務次長を務めたジュネーブでの国際会議の後、バンクーバーを訪れる機会が与えられた。 バンクーバーにある1908年創立された The University of British Columbia(UBC)の広大なキャンパス内にある新渡戸記念庭園(Nitobe Memorial Garden)に訪れた。1933年ビクトリアで客死した新渡戸稲造を記念したものである。『International Pacifist(国際的な平和主義者)=新渡戸稲造』を静思する時となった。

翌日は、バンクーバーから約1時間30分フェリーに乗り、ビクトリアを訪れた。新渡戸稲造が亡くなったRoyal Jubilee病院を訪問した。『歴史の重みと、継続的な成長の秘訣』は、『深い専門性』と『高い常識性』の『懸け橋』で『21世紀の懸け橋 〜 “がん哲学” 〜』の原点ではなかろうか!【『哲学は 哲学する人そのひとの 人格の表現であるーー、『人がいかなる哲学を選ぶかは、彼がいかなる人間であるかに依存する。』】の再確認の日々である。

【『人間は、ロビンソン・クルーソーの様に孤島にひとり住んでいたのでは、良い人か 悪い人かは判らない、人間社会の中に住まわせてみて 初めてその性(サガ)が明らかになる。がん細胞もしかり。』 & 『がん細胞は増殖して仲間が増えると、周囲の正常細胞からのコントロールを脱し、悪性細胞としての行動をとるようになる。 君達学生諸君も似たところがある。 一人ひとり話をすると、常識もあり善良な青年にみえるのだが、学生自治会として集団行動をとると、変なことを云ったりしたりする。』】の吉田富三(1903-1973)の言葉を、私は若き日から学んだものである。
『役割意識 & 使命感の自覚』と『練られた品性と綽々たる余裕』は『21世紀の懸け橋 〜 “がん哲学” 〜』の真髄である。

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