ことばの処方箋
これまでの“ことばの処方箋”
- 自分自身に負けない限り、それは敗北ではないのです。
- アメリカ第32第大統領フランクリン・ルーズベルトの妻、エレノア・ルーズベルトの言葉。
エレノアは単に「大統領の妻」という認知度ではなく、
政治活動に関わり新聞などのメディアにコラムをかくジャーナリストで、
世界人権宣言の起草者としても知られている。
自分を信じ迷わず進んでいくことの大事さをついている。
- いつだって思っていることは、現実になっていきます。
良いことを常に思いましょう - 2025年6月3日、惜しまれつつ亡くなった日本野球界のレジェンド、
長嶋茂雄は数多くの名言や面白い言葉を残し語り継がれている。
伝説のスター選手が、いかにして偉業をなしとげたか、精神面の強さを物語る言葉である。
がんなどの重篤な病気になった時、苦しい治療だからといって悪いことばかり考えると
ふんばりがきかず、思うような効果が期待できないものである。
- 失敗は成功のマザー
- 日本国民に最も愛された元野球選手で監督の「ミスタープロ野球」長嶋茂雄が、
発明王/エジソンの名言「失敗は成功の母」を元に発信した造語。
文字どおり、失敗を恐れて挑戦しなければ何事も成し遂げられないという真理をついている。
数々の記録をうちたて、人々の記憶に残る「昭和のスター」、
その栄光の陰で数々の挫折や苦難があったからこその言葉だ。
- わからないものをわかろう、自分ではない他人をわかろう、
この想像的努力のまたの名は、ほかでもない、愛である - 平易な言葉でとっつきにくい(?)哲学を幅広い世代に広め、
考えることの重要性を説いた日本の女性哲学者、池田晶子(故人)。
「14歳からの哲学」「帰ってきたソクラテス」など多くの哲学エッセイを残した。
愛の基本は、自分とは違う誰かを理解することだと説く。
- 多くの人にとってより危険なのは、
目標を高くし過ぎてそれに届かないことではなく、
目標を低くし過ぎてそれに届いてしまうことなのです - イタリアの彫刻家ミケランジェロの言葉。
自分を過信しすぎるのは危険だが、最初から自分は「できない」
と思い込んで挑戦する心をもたないことは成長を阻止するものだ、と説いている。
目標は高いほどやりがいがあり、高きをめざす原動力だからだ。
- 怒りを感じたら、話す前に10数えなさい。
激しい怒りを感じたら、話す前に100数えなさい - アメリカ合衆国第3代大統領の言葉。
何か嫌なことに遭遇すると感情を制御できずに
すぐに相手と衝突してしまう人がいるが、
理性をもつ人間は、怒りという感情を制御できるものである。
- 弱い者ほど相手を許すことができない。許すということは、強さの証だ。
- インドの弁護士、宗教家、政治指導者のガンジーの言葉。
「罪を憎んで人を憎まず」という言葉があるが、
他者を「許す」という行為は難しいものである。
許せないという感情をもち続けることは、
自分の中で負の感情にとらわれることであり、
その結果としてエネルギーを消費することだ、と説いている。
- 成長や変化には痛みが伴います。しかし何より苦痛なのは、
自分の場所ではないところにずっととどまることです - インドの実業家でIT企業インフォシスの創始者であるナラヤナ・ムルティ氏の言葉。
何事も永遠につづくものはなく、雲が流れるように物事は変わっていくものである。
変化の中で自分の居場所を見出していくことが大事。
自分のいるべき場所でない所に、目的もなくだらだらと過ごすのは人生の無駄としかいえない。
- 他人や過去は変えられないが、未来と自分は変えられる
- カナダの精神科医エリック・バーン氏の言葉。過去を変えることはできない。
人生のあらゆるシーンにおいて、意見の相異により他人と衝突することがある。
そんな時、他人が間違っているとして変えようとする人がいるが、
人それぞれ人格が備わっているのだから難しい行為……。
過去の失敗や苦い経験に囚われず、「自分は変わる」という柔軟な心をもち、
明るい未来を想像することが大事なのである。
- しあわせはいつも じぶんのこころがきめる
- 詩人で書家の相田みつをの作品は、独特な作風だけに
書籍やカレンダーなど様々な方法で目にすることができる。
飾らない言葉は、すとんと胸におちてくるものばかり。
幸福の基準は人それぞれ。傍からみたらなんでも持っているようにみえる人が、
実は満たされていないというケースは多々ある。
つまり、幸福度は自分が決めるものなのである。
- 人生において最も大切な時 それはいつでも いまです
- 詩人で書家の相田みつをは「いのちの詩人」といわれただけに、
残した数々の言葉はシンプルでわかりやすく心に響くものばかり。
現在の自分を形成しているものは過去であるが、過ぎた日に囚われずに
「現在(いま)」をしっかり生きることの大事さを説いている。
がんなどの病気にかかった人は、自身の生命の時間のことを考えるあまり
明日の心配ばかりしてしまうものだが、未来のことは誰もわからない。
だからこそ、現在を生きることが大事なのである。
- 死ぬときに教訓が大事なのではなく、生きている時の行動が大事なのだ。
- 東京海上火災保険、王子製紙、帝国ホテルなど
日本の優良企業の設立に関わった「日本資本主義の父」渋沢栄一の言葉。
その名前を知らなくても、紙幣を通してその風貌を目にしているはず。
人生の教訓を悟り後世に残すことは大事だが、
現在(いま)をどう生きて、どう考え、どんな風に行動したかの方がより重要。
膨大な功績を残した渋沢栄一の発信だけに説得力がある。
- 子を失う親のような気持ちで、患者に接することのできない、
そのような共感性のない人がいるとしたら、今すぐこの場から去りなさい。 - 看護師という職業が、人の世話をする召使的な存在とされていた時代、
専門的な知識をもった看護師の必要性を実感し、
看護師教育に生涯を捧げたフローレンス・ナイチンゲールの言葉。
「近代看護教育の母」と称されるナイチンゲールの生き様や残した言葉は、
特に医療従事者にとっては参考になる。
- 私は決して失望などしない。
なぜなら、どんな心配も新たな一歩となるからだ。 - 84年の生涯において約1300の発明と技術革新をした
アメリカ人発明王トーマス・エジソンの言葉。
偉人は子どもの頃から好奇心旺盛で実験に没頭した結果、
現在をいきる私たちの生活に欠かせないものを発明したが、
決してすべてうまくいったわけではない。
諦めない心が成功につながることを教えてくれる。
- 私たちのつとめは成功ではない。失敗にも負けずにさらに進むことである。
- イギリスの小説家・詩人で「宝島」「ジキル博士とハイド氏」
などの著者であるステイーブンソンの言葉。
人種差別撤廃に生涯を捧げたアフリカを代表する政治家であるネルソン・マンデラが
「人生における最大の栄光は、決して転ばないことにあるのではない。
何度転んでも起き上がることにあるのだ」と明言を残したように、
失敗を重ねてもあきらめずに目的に向かって進むことの大切さを説いている。
- 人間を賢くし人間を偉大にするものは、過去の経験ではなく、未来に対する期待である。
なぜならば、期待をもつ人間は、何歳になっても勉強するからである。 - アイルランドの劇作家、ノーベル文学賞受賞者、
ジャーナリストのバーナード・ショーの言葉。
人生において、過去、どんなにすばらしい経験をし実績を残しても、
それらが現在・未来につながらないと意味がない。
過去に固執せず、現在をよりよく生き、
未来を向いて努力・学びを続けることこそ意義がある。
- やったことは例え失敗しても、20年後には笑い話にできる。
しかしやらなかったことは、20年後には後悔するだけだ。 - 「王子と乞食」「トム・ソーヤの冒険」などの著者である米国の作家マーク・トウェインの言葉。
何もやらずに後悔するよりも、結果がどうであれ何かに挑戦することの大切さを説いている。
- 名誉を失っても、もともとなかったと思えば生きていける。
財産を失ってもまたつくればよい。
しかし勇気を失ったら、生きている値打ちがない。 - ドイツの詩人・作家で「狭き門」などの著書をもつゲーテの言葉。
名誉や財産はうしなってもまた作ることができる。
勇気はその人の本質的なものであり、元々もっていない人も存在する。
気ある人でも、一度うしなってしまうと厄介なことになかなか奮い立つことは難しい。
形のあるものではないためわかりにくいが、勇気ある行動は結果がどうであれ、それ自体意義深い。
- 無知を恐れてはいけない。偽りの知識を恐れよ
- 「人間は考える葦である」という言葉を残したフランスの哲学者パスカル。
自分をよく見せるためにしったかぶりをしたり、きちんと調べることもなく
他者の伝聞をうのみにしたりする人間の愚かさを言い当てている。
本当に強い人は、知らないことはきちんと認め、知るための努力を怠らないものである。
- 束縛があるからこそ、私は飛べるのだ。
悲しみがあるからこそ、高く舞い上がれるのだ。
逆境があるからこそ、私は走れるのだ。
涙があるからこそ、私は前に進めるのだ - インドを代表する偉人、マハトマ・ガンディーは、
宗教家、政治指導者、そして弁護士でもあった。
インド独立のための活動中、不当な圧力・暴力をうけ幾度も投獄された。
それでもめげずに信念をまげることのなかった偉人の強い意思を感じる言葉である。
- 人生における最大の栄光は、決して転ばないことにあるのではない。
何度転んでも起き上がることにあるのだ - ノーベル平和賞を受賞したネルソン・マンデラの言葉。
南アフリカの黒人解放運動指導者として活動し、
長い獄中生活を余儀なくされたマンデラの不屈かつ寛容な精神性を示す言葉である。
大事を成すには、転ばないように用心して生きることは必要だが、
それ以上に七転び八起きの精神を持ち続けることが大事だと説いている。
- 人生は近くで見ると悲劇だが遠くから見れば喜劇である
- イギリスを代表する喜劇俳優のチャールズ・チャップリンの言葉。
「喜劇王」として現在も絶大な人気を誇るチャップリンは、
世界中の人々を笑わせる映画に多数出演してきた。
見方・考え方次第で悲劇を喜劇に変えることができることを教えている。
- 幸福への道は一つしかない。
それは自分の力ではどうにもならないことについて
悩むのをやめることである - 古代ギリシャの哲学者エピクテトスの言葉。
何かを成そうとして努力をすることが大事なだが、
この世にはどうにもならない事柄は確かに存在する。
そのことを悟り、進むべき道を切り替えることも、実は必要だと説いている。
- 人は繰り返しによってつくられます。
ですから、優秀さとは行為ではなく、習慣なのです。 - プラトンと並ぶ古代ギリシャの哲学者アリストテレスの言葉。
勉強や仕事ができる人のことを、僻む人たちは必ず存在します。
しかし、優秀といわれる人たちは最初からそうではなく、
日々、優秀さに近づくために謙虚な心をもって努力を習慣的に重ねているのである。
- 大体に、心に平安のある者は、病気になってもすぐよくなる。
よくならないにしても軽い。
肺病にかかっても、病気を苦に病まない。
即ち病気にかかっても少しも心配しない。 - キリスト教社会運動家で作家として活動した賀川豊彦の言葉で、
幾多の社会奉仕活動の中でも関東大震災の時に残した言葉。
賀川は、子ども時代に結核にかかり死にかけた経験があり、
その経験上、「仮眠(昼寝)の重要性」を強く説いた。
「人生には休みが要る。休みも人生芸術の一部である。
睡(ねむり)もまた私にとっては芸術である」という言葉は、
がんなどの病気は人生の休みというがん哲学外来の教えに通じる。
- 自分に嘘をついて好かれるくらいなら、
ありのままの自分で嫌われた方が良い。 - 「狭き門」などの著書をもつフランスの大作家アンドレ・ジッドの言葉。
現代社会では社会に適応するために本当の自分をさらけ出すことは難しい。
まして、好人物に思われたいと思う場合は、自分のマイナスイメージはだしにくいものである。
ありのままの自分で生きることの難しさと爽やかさを言いえている。
- 誰かに深く愛されれば強さが生まれる。誰かを深く愛すれば勇気が生まれる。
- 古代中国の思想家・老子は、自然の調和と無為自然の生き方を提唱した。
見返りや代償をもとめず、愛した人の幸福を一番に考えるという愛の崇高さを言いえている。
本当の愛を知った人は精神的な強さや勇気、そして結果にかかわらず心の平穏を得られると説いている。
- 神様は私たちに成功を求めているのではありません。
神様は私たちに挑戦することを求めているだけなのです。 - カトリック教会修道女のマザー・テレサの言葉。
必要とする人のためにはすぐにどこへでも訪れ支援した偉人は、
「愛の反対は無関心」と説き生涯を奉仕活動に尽くした。
既にとりあげた「小さなことに愛を込める」同様、心(愛)をこめて行動(挑戦)することが
他者への愛に繋がり、行為の結果は後からついてくるものだと教えている。
- 今あるものに満たされない者は
これから欲しいものにも満たされない - 古代ギリシャの哲学者ソクラテスの言葉。
人間の欲望は際限なく、過度にモノや人などに執着することの怖さを言い当てている。
日々、感謝の心をもつことによって、欲望の誘惑に打ち勝つことができ、
結果として平穏さを保つことができる。
- 恨みを持つことは、自分が毒を飲んで
敵が死ぬことが期待するようなもの - 不屈かつ寛容の精神を持ち続けたネルソン・マンデラの言葉。
南アフリカ史上初の黒人大統領をつとめた黒人解放運動指導者ネルソン・マンデラは、
国家反逆罪などで終身刑の判決をうけた結果、27年間という長きに渡り獄中生活を余儀なくされた。
他者から嫌なことをされると腹がたつものだが、だからといって執着せず、相手を許すことが重要。
言うまでもなく、自分のために許すのである。
怒りから解放されない心はいつまでも癒されず、やがて恨みという感情にかわっていく。
つまるところ、自分で自分を苦しめる結果となるのである。
