第23回 『良き読書』 〜 心の蔵を豊かにする 〜
2024年9月28日午前は、早稲田大学エクステンションセンター中野校での講座【がんと生きる哲学 〜 医師との対話を通して『がん』と生きる方法を考える 〜 テキスト:『新渡戸稲造 壁を破る言葉(三笠書房)樋野興夫著』】であった。今回は、【3章『自分に負けない生き方』の『この章のはじめに』、21節『志を立てて、それを心に刻み込め』、22節『「徳目」を思考、行動の根底にすえる』】を音読しながら進めた。 講座者から多数の質問もあり、大いに感動した。 大変充実した授業となった。
午後は、『お茶の水 がん哲学外来・メディカルカフェ in OCC』に赴いた。 筆者は、3組の個人面談の機会も与えられた。 大変貴重な時となった。
「新渡戸稲造の言葉の処方箋」
小さな職務に忠実であれ 『人生読本』
親切とは行動すること 『世渡りの道』
相手に得意なことを語らせる『新渡戸博士追悼集』
をさりげなく語った。
『継続の大切さ』を実感する日々である。【継続は、人間としての 尊い行為である! すべての始まりは『人材』である! 人生の大切な想い出で、良き宝となろう!】を痛感する。
9月29日は、2008年の秋に東久留米のインターナショナルスクール(CAJ)で開始された『東久留米がん哲学外来・カフェ』(1:00pm〜3:00pm) に赴く。
筆者は、2008年1月 順天堂大学の病院の診察室で、無料の『がん哲学外来』を始めた。 その年(2008年)の秋に『東久留米がん哲学外来・カフェ』を CAJで開始する機会が与えられたものである。
『東久留米がん哲学外来・カフェ』の後は、2007年から始めた【新渡戸稲造(1862-1933)著『武士道』、内村鑑三(1861-1930)著『代表的日本人』】の読書会である。 今回の読書会の箇所は、『代表的日本人』の5章『日蓮上人』の3節『暗黒の内と外』である。
「新渡戸稲造の言葉の処方箋」
読書は人間をつくるもの『読書と人生』
永遠の生命をもつ本を読め『人生読本』
【『良書を読み、有益な話を聞き、心の蔵を豊かにする』(新渡戸稲造)で、 行動への意識の根源と原動力をもち、『はしるべき行程』と『見据える勇気』の習得】、が『読書会』の心得であろう!
第22回 尺取虫運動に学ぶ 〜 『医療者の道』 〜
2024年9月20日、【第83回日本癌学会学術総会(学術会長:九州大学医学部第一内科教授 赤司浩一先生;福岡国際会議場 & マリンメッセ福岡B館】に参加した。 【サバイバー・科学者プログラム(JCA-SSPプログラム)】では、渡會明香氏(千葉県の春日部 & 野田 がん哲学外来メディカルカフェ)が、演題『がん哲学外来と私』を発表された。 大いに感動した。2025年の日本癌学会学術総会会長は、大島正伸先生(金沢大学教授)である。
2003年 お茶の水の東京ガーデンパレスで、筆者の順天堂大学教授就任を兼ねての【『われ21世紀の新渡戸とならん』(イーグレープ)出版記念シンポジウム」】に、大島正伸先生の今は亡きお父様(大島智夫先生)が出席されたことが鮮明に蘇ってきた。 神奈川県海老名市の大島智夫先生のご自宅での会食にwifeと招待されたことが、忘れ得ぬ想い出である。
札幌農学校(現在の北海道大学)を率いたウィリアム・クラーク(1826-1886) の名言『ボーイズ・ビー・アンビシャス(boys be ambitious)』は、『その地を去るに臨んで、馬上から学生に向かって叫んだ言葉』と、大島智夫先生から伺ったものである。『少年よ大志を抱け』と訳したのが大島智夫先生のお祖父の教育者・大島正健(1859-1938)である。
2003年に初版『われ21世紀の新渡戸とならん』(イーグレープ)、2018年に新訂版、2019年4月には英語版『 I Want to Be the 21st Century Inazo Nitobe』(日本橋出版)が発行されることになった。 私は、クボタショックの2005年、順天堂大学で『アスベスト・中皮腫 外来』を開設する機会が与えられた。 そして、2008年、順天堂大学で『がん哲学外来=患者さんや そのご家族と面談し、苦しみを和らげる』が開設された。
『医療者の道 〜 尺取虫運動(添付)に学ぶ 〜』は、【『自分のoriginal pointを固めてから、後ろの吸盤を 前に動かし、そこで固定して 前部の足を前に進める。 かくて いつも自分のoriginalityを 失わないですむ。』&『どんな境遇、状況でも 確実に 前進できる人物になれ』の心得】であろう。【『がん哲学外来』=『相手を思いやる心』&『患者に対する慈愛の心』】の姿勢でもある。
第21回 『器量の持ち主』〜 『持っている、身につけている、与えられている』 〜
2024年9月16日(月・祝)『2024年度 第7回 21世紀のエステル会シンポジウム』(白鷺教会に於いて)に出席した。 友納靖史牧師(常盤台バプテスト教会)の講演【人の痛みに聴き、寄り添えますように ~ 全人的なケア(スピリチュアルペイン)〜)について】は、大変勉強になった。Hope(希望)、Assistance(協力)、Support(支援)の頭文字=haveの3人称(has)=『持っている、身につけている、与えられている』の学びの日々である。
講演後、対談では【教会でメディカルカフェをやる意味は?・樋野先生の著書を拝読しています。 先生方は、違和感を抱く人々に合ったらどうお話しなさいますか。 これだけは言いたいということがあれば教えてください。】などなどの質問も頂いた。 グループトークの後、筆者は、総括の機会が与えられた。
【『樋野動物園』の『春風のようなゴリラ🦍』(目白がん哲学外来カフェ代表 森尚子氏)】から、『現代的意義』の心温まる、励ましのポスターを頂いた(添付)。【『情熱、熱意、真摯な態度』&『無邪気に、喜んで、小さなことに、大きな愛を込める』&『役割意識と使命感』の実践者】でもある。
また、『器量の持ち主』でもある。『器量』といえば、『挑太郎』を思い出す。 鬼ケ島遠征の物語は、子供時代、村のお寺の紙芝居で よく聞かされたものである。『挑太郎』は『犬・雉・猿』という性質の違った伴を まとめあげたと学んだ。【世に処する人は『性質の異なった者を 容れるだけの雅量』を もたなければならない】と新渡戸稲造(1862-1933)は『世渡りの道』(1912年)で述べている。
『時代を動かすリーダーの清々しい胆力』としての『人間の知恵と洞察とともに、自由にして勇気ある行動』(南原繁(1889-1974)著の『新渡戸稲造先生』より)という文章が思い出される今日この頃である。 一見「理解不能モード」である複雑な現代社会・混沌の中での『一筋の光』を感ずる日々である。