一般社団法人がん哲学外来

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21世紀のがん哲学 樋野興夫
〜すこしの時間ご一緒しませんか?
ちょっと立ちどまり、一息つき、考えるときを持ち、歴史人に思いをはせる~

第59回 『何が重要なのかが明確になる』〜 『人生の良き邂逅』 〜

筆者は、2025年4月4日 定例の病理組織診断業務を行った。 それから 御茶ノ水の順天堂大学に寄った。 2024年10月に【東京医科歯科大学は、東京工業大学と統合し、東京科学大学】となった東京科学大学キャンパス内の満開の桜を眺めた。

今回、2022年1月19日 東京医科歯科大学名誉教授(2022年1月15日御逝去 享年94歳)春日孟先生の通夜に参列したのが鮮明に想い出された。 春日孟先生の若き日の写真、ご家族との穏やかな写真を拝見し、また、ご遺族のおもてなしに 大いに感動した。

想えば、筆者は、医学部を卒業して、癌研で研究をスタートした。 豊島区の大塚にあった癌研病理部での研修研究員時代、当時の病理部長:北川知行先生と所長:菅野晴夫先生(1925−2016)のお計らいで、春日孟先生にお世話になり、1984年、論文『肝癌症例におけるB型肝炎ウイルスDNAの組み込み頻度と肝癌発生におけるその評価』を提出して医学博士を取得させて頂いた。 貴重な人生の出会いであった。

そして、研究員となり、助成金『The Yamagiwa-Yoshida Memorial International Cancer Study Grant (UICC)』を得て留学(米国アインシュタイン医科大学肝臓研究センター)の機会が与えられた。 『何が重要なのかが明確になる』人生の良き邂逅となった。

今度、東久留米市にある自由学園が開講している『45歳以上のための学校』の『リビング アカデミー(LA)』の講座を依頼された。【春日孟先生の娘様も楽しみにしていらっしゃるようです。】との心温まる連絡を頂いた。 涙無くして語れない。

4月4日の午後、1950年創設された東久留米市のインターナショナル・スクール『クリスチャン・アカデミー・イン・ジャパン(Christian Academy in Japan, CAJ)』
の75周年記念に出席した。 CAJは、幼稚園から高校まで一貫教育授業は、すべて英語で行われ、アメリカ、日本、韓国、他20カ国以上の学生が約480名 在籍している。 Wifeは、小学校の校長を務めているので開会の挨拶をした(添付)。

会場は満席であった。 生徒の演奏、合唱、演劇には大いに感動した。

第57回 『種を蒔く人になりなさい』 〜 『勤勉と柔軟性』 〜

2025年3月23日は、2008年から始め、今年で17年目を迎える『東久留米がん哲学外来』(CAJに於いて)と、2007年から始め、今年で18年目を迎える『読書会』に赴いた(添付)。 継続の大切を実感する日々である。

『東久留米がん哲学外来』では、個人面談の機会も与えられた。 筆者の本も持参されサインをお願いされた。『読書会』は、新渡戸稲造(1862~1933)著『武士道』(岩波文庫、矢内原忠雄(1893-1961)訳)と内村鑑三(1861-1930)著『代表的日本人』(岩波文庫、鈴木範久訳)を交互に読み進めている。 英文で書かれ、現在でも世界に誇る名著とうたわれる 新渡戸稲造著『武士道』 & 内村鑑三著『代表的日本人』を熟読玩味する時である。 まさに【『良書を読み、有益な話を聞き、心の蔵を豊かにする』(新渡戸稲造)】で『人生の心構えについて』の学びの場である。 皆様の『勤勉と柔軟性』には、ただただ感謝である。 大変貴重な時であった。

2025年3月24日は 筆者が理事長を務める恵泉女学園(東京都世田谷区)の理事会・評議委員会である。 2021年7月1日、新渡戸稲造から学んだ河井道(1877-1953)が、初代学園長である恵泉女学園の9代目理事長を拝命することになった。 河井道は自著『わたしのランターン』の終わりに『時がくると、それは別の手へとひき継がれて、さらに先へと運ばれていくであろう。』と記述している。

3月25日は、2009年スタートし 今年で16年目を迎える『福島県立医科大学附属病院がん相談支援センター』での『吉田富三(1903-1973)記念福島がん哲学外来』に参上する。【福島県出身の世界的病理学者 吉田富三博士を記念して、吉田博士の孫弟子樋野興夫先生と【福島がん哲学外来】を開設いたしました。 患者さんの思いや日常生活の悩みを受け止め、じっくりと対話する“心の診療室”です。がんにまつわる悩み・不安を持って生きる患者さんとそのご家族の受診をお勧めします。】と謳われている。 感服する(添付)
人間は、自分では『希望のない状況』であると思ったとしても、『人生の方からは期待されている存在』であると実感する 深い学びの時が与えられている。『表面的happy』vs『内から湧き出るjoy』の違いの考察の時ではなかろうか!
まさに、『種を蒔く人になりなさい』の心得、実践であろう!

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