一般社団法人がん哲学外来

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21世紀のがん哲学 樋野興夫
〜すこしの時間ご一緒しませんか?
ちょっと立ちどまり、一息つき、考えるときを持ち、歴史人に思いをはせる~

第1回 『21世紀の懸け橋 〜 “がん哲学” 〜』

2024年5月6日、2008年 NPO法人『がん哲学外来』設立で お世話になった吉川研一氏、風早謙一郎氏と一般社団法人『がん哲学外来』の事務局の宮原富士子氏、社員の土屋千雅子氏と5人で、東久留米ジョナサンで対談の時を持った。 大変有意義な時であった。そして、ブログ『21世紀の懸け橋 〜 “がん哲学” 〜』の発行が決定された。 大いに感服した。

『がん哲学=生物学の法則+人間学の法則』である。筆者が初めて『がん哲学』を提唱したのは2001年である。その2年後の2003年、日本病理学会で吉田富三(1903-1973)の生誕100周年記念事業が行われた際、初めて『がん哲学』という言葉を世の中に公表した。

2005年にアスベスト(石綿)による中皮腫や肺がんなどの健康被害が社会問題になったとき、順天堂大学医学部教授時代で 中皮腫の早期診断法を開発していた。 そこで 順天堂大学附属病院で『アスベスト・中皮腫外来』を開設し、問診を担当した。そして、がんと共に生きるこれからの時代において、その不安や心の痛みを受け止め、”すき間”を埋めるための対話が必要だと、病院に提案して『がん哲学外来』を2008年に開設した。 各新聞社で大きく取り上げられ、全国各地から予約が殺到した。 キャンセル待ちも出るほどで、”対話の場”の必要性を確信した。

新渡戸稲造(1862-1933)の言葉に『人生に逆境も順境もない』とある。 自分のことばかり考えると、悩みや苦しみが立ちはだかって逆境になる。でも、自分よりも困った人に手を差し伸べようとすれば、自らの役割が生まれ、逆境はむしろ順境になる。

『がん哲学外来』には、多くの患者さんが来られた。 困っている人のために居場所を作る。 それが人間としての使命であろう! 【『病気』であっても『病人』ではない社会】は、人類の進む方向である。

『がん哲学外来』の5ヶ条

1)『他人の感情を尊敬することから生じる謙遜・慇懃の心』
2)『濃やかな配慮の人』
3)『欣然たる面貌、快然たる微笑』
4)『正論より配慮の訓練』
5)『個性と多様性の提示』

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