一般社団法人がん哲学外来

ことばの処方箋

これまでの“ことばの処方箋”

涙とともにパンを食べた者でなければ、人生の本当の味はわからない。
「ヴィルヘルム・マイスターの修業時代」(ゲーテ著)に出てくる言葉。
解釈には諸説あるようだが、原文のドイツ語が意訳されているようである。
東はつらく、苦しい方から「こんなにつらくて、何も手につかないのに、お腹すくんです」
という言葉を聴いて、真理だと思った。
樋野興夫→新渡戸稲造→トーマス・カーライル→ゲーテ
自分の敬愛する人・尊敬する人の書物、言葉などは遡って源流をたどってみるのもよい。
真理は円形にあらず、楕円形である。
「聖書之研究」内村鑑三著 に出てくる言葉。
「万物は楕円形であり、中心が2つある」というのはアインシュタインが言っていて、内村鑑三はそれを引用している。
「患難の坩堝の内に燃え尽くす火に鍛えられて初めて実得し得るものである」と書かれているように、
相対する2つのものをバランスよく受け容れることはたやすいことではないが、
それが真実なのだから、自分の中で落としどころを決めて受け容れる。
犬のおまわりさん
ないてばかりいるこねこちゃんと一緒に、こまってしまってないている犬のおまわりさん。
何かをして差し上げたり、「(あなたの仰ってることが)わかる」という言葉よりも、
ただなすすべもなく傾聴したり、ただ寄り添っているだけの姿勢が大切。
マイナス×マイナス=プラス
つらい、苦しいなどマイナスの気もちを持っている方。
プラスはマイナスの気もちを持っていない方や克服された方。
マイナス×プラス=マイナス マイナスの方がプラスの方と接しても、マイナスの気もちは解消されない。
樋野先生は、マイナスの方が自分よりもっとマイナスの方を探しに行くと、共感しあえてプラスになると仰る。
東の解釈では、マイナスの方が、自分よりもっとマイナスの方に出会うと、自分のことを置いといても、
その方に寄り添いたいと思う、心を寄せることができる、その気もちがプラス。 儒教では仁、仏教では慈悲、キリスト教では愛、これらはすべて同じものを表していて、人間に本来備わっているものである。
つらく、苦しい経験をした人もいつかは人間の成長過程としてそうなっていく。
それは人から押しつけられるものではなく、自分で気づくものである。
やるだけのことはやって・・・
勝海舟の言葉。
ベストを尽くして、あとは結果を待つ。
結果によらず、ベストを尽くしたこと、努力したことは、お天道様(人、神など)が見てくれているし、
何よりも自分の身になっている。
中国古典の「人事を尽くして天命を待つ」
30m後ろから見守る
30mとは、人が居るという気配、誰かの存在を感じられる距離。
声をかけようと思ったら、声が届く距離。
そっとしてほしいときであっても、独りぼっちは寂しい。
誰かの存在を感じられる距離をとって見守る。
速効性と英断
よいと思ったことは迷わず、ぱっとやる。
ぐずぐずしていると、周囲からの茶々に惑わされるかも。
個人プレイヤーのみにあてはまるのではなく、組織のなかにあっても、
自分が「よし、やるぞ!」と決めたときの覚悟のあり方の1つ。
暇げな風貌
人の話を聴くときの態度。
忙しくても、ちょっと自分のことを脇に置いて、相手の話に向き合う姿勢、態度。
偉大なるお節介
「偉大なるお節介」の反対は「余計なお節介」「余計なお節介」はお節介している方の思いでやっている。
相手のニーズに合わせて、さりげなく手を差しのべるのが「偉大なるお節介」
「誰かのため」が「あなたの自己満足のため」になっていませんか。
八方塞がりでも天は開いている
八方塞がりのとき、つい人は下を向いてしまうが、ちょっと顔を上げて、
空を見上げてみると、希望の光が見えるかもしれない。
「雲の上はいつも晴れ」
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