一般社団法人がん哲学外来

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21世紀のがん哲学 樋野興夫
〜すこしの時間ご一緒しませんか?
ちょっと立ちどまり、一息つき、考えるときを持ち、歴史人に思いをはせる~

第84回 『愛情の原点』 〜 インプリンテイングの大切さ 〜

筆者は講演で【日本国の神社、お寺、教会の数は何箇所ありますか?】との質問をされた。 そして、純度の高い、複数の解答が寄せられた。 大いに感激した。 1313年前、712年に編纂された『古事記』に登場する、医療の原点を教えてくれる『大国主命の出雲大社』(添付)から、8キロほど、峠を越えて美しい日本海に面した小さな村が、筆者の生まれ育った『出雲市大社町鵜峠』である(添付)。

筆者の故郷【当時の住所名:島根県簸川郡大社町鵜峠(うど)、現在は、島根県出雲市大社町鵜峠】は無医村であり、筆者は、幼年期、熱を出しては 今は亡き母(96歳で逝去)に背負われて、隣の村(鷺浦)の診療所に行った体験が、脳裏に焼き付いている。 そして、人生3歳にして、医者になろうと思った(添付)。 筆者は、幼年時代から 【私の誕生の年の母の元旦の夢が『富士山(3776m)』であり、幼児の時から『富士山子』と母に励まされたものである。】 故に【富士山】には特別な思いがある(添付)。 幼年時代のインプリンテイングは 生涯に影響を与えるものである。 これが、『愛情の原点』であろう!

故郷の小学校も中学校も廃校になった。 現在では人口34名、60%の空き家の鵜峠の海辺に行き(添付)、日本海を眺めながら『何の為に、この地で、生まれたのか?』を深く静思したものである。

今日(8月8日)は、筆者は病理医として 定例の『病理組織診断業務』を担当する。 病理学は『がん哲学 = 生物学の法則+人間学の法則』の原点でもある。 8月9日は【お茶の水メディカル・カフェ in お茶の水クリスチャン・センター(OCC)】(添付)に参上する。 筆者は、『順天堂大学医学部 病理・腫瘍学教授』時代の 2012年5月26日にOCCでの第1回『お茶の水(OCC)メディカル・カフェ』に参上した。 継続の大切さを実感する日々である。

第83回 逆境に立ち向かう 〜 無頓着ほどに 賢く生き抜く勇気 〜

2025年8月1日 アメリカ合衆国ミシガン州のGrand Rapids空港からDetroit空港を経由して、羽田空港に帰国した。 8月2日は、早稲田大学エクステンションセンター(早稲田校)での講座【『がんと生きる哲学』〜『ジャンル 人間の探求:テキスト:樋野興夫著『新渡戸稲造(1862-1933)(添付)壁を破る言葉:逆境に立ち向かう者へ40のメッセージ』(三笠書房)】を担当した。 下記を受講者に音読して頂きながら進めた。

1章12節『礼節を持って賢く生き抜く』:他人を尊敬する念は、誰の心中にも必ず潜んでいて、また少し注意すれば、どんな人に対しても、必ず尊敬すべき理由を発見し得るものである。 いやしくも自らを重んじる人は、必ず他人を尊敬する。 もしその念がない人があるとすれば、その人に自重心がないという欠陥を自白するようなものである。『世渡りの道』
2章13節『立ち止まることも勇気である』:勇気を修養する人は、進むほうの勇ばかりでなく、退しりぞいて守るほうの沈勇もまた養うように心がけなければならない。 両者がそろってこそ、真の勇気が得られる。『修養』
2章14節『〝無頓着〞ほど強いものはない』:青年はその特性としてシンプル(淡白)でなければならない。 自然に従い、あけっぱなしで、すねたところがなく、すらすらとして、少しのひがみもないことが必要だ。 いわば心がシンプルなのである。 真の青年は、名誉とか立身とか、つまらぬ小欲がない。 もし欲があるとすれば、それは大欲である。 したがって人に追従をいってご機嫌を取ろうともしなければ、また秘密にすることもないから、なんらわだかまることがない。『修養』

その後、国立がん研究センター築地キャンパスでの【Japan Cancer Forum 2025】に向かった。 『個人面談』の機会も与えられた。【『アルプスの少女ハイジ』:喜んで無邪気に 小さなことに大きな愛を込める】の復学である。

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