一般社団法人がん哲学外来

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21世紀のがん哲学 樋野興夫
〜すこしの時間ご一緒しませんか?
ちょっと立ちどまり、一息つき、考えるときを持ち、歴史人に思いをはせる~

第112回 『人生の貴重な忘れ得ぬ宝物』 〜 汝が義務と知られるものを尽くせ 〜

『がん哲学外来金城カフェ』の担当者でもある瀬戸真知子氏から『10歳のマリアのブログ 夫の闘病記 100回記念』(瀬戸真知子 & 瀬戸加大著 発行プレイズ出版)が届いた(添付)。大いに感動した。 出版社を探された息子様、編集長を担当された娘様も含め家族全員での今回の製本は『人生の貴重な忘れ得ぬ宝物』となろう! 筆者は、【『はじめの言葉』〜『人生の貴重な忘れ得ぬ出会い』〜】を記載する機会が与えられた。

【想えば、ご主人の『医師で がん研究者』である瀬戸加大先生と最初にお会いしたのは、43年前の1982年の『日本癌学会』である。 病理医の私は、癌研時代から毎日 顕微鏡で細胞を診て、病理組織診断と病理解剖に専念したものである。『丁寧な観察力の修練』であった。 現在も定期的に病理組織診断業務を行っている。 『顕微鏡を見て病気を診断する=森を診て木の皮まで診る』実践でもある。『がん細胞の病理』と『人間社会の病理』の類似性が、2001年の『がん哲学』の提唱の原点である。そして、2008年 順天堂大学病院で『病気』であっても『病人』ではない社会の構築を目指して『がん哲学外来』が開設された。『人生の貴重な出会いの流れ』を痛感する日々である。】

また、【私が2019年3月順天堂大学病理・腫瘍学教授を定年退職して名誉教授を拝命した翌月、『新渡戸稲造記念センター in 新渡戸記念中野総合病院』が設立され、センター長に就任し『がん哲学外来』が定期的に開催されている。 新渡戸稲造(1862-1933)が、愛読したトーマス・カーライル(Thomas Carlyle;1795-1881)の『サーター・リサータス:衣装哲学』の『“Do thy Duty, which lies nearest thee, which thou knowest to be a Duty”(汝の義務を尽くせ。汝の最も近くにある義務を尽くせ、汝が義務と知られるものを尽くせ)』が、『瀬戸家』の精神であろう! 】と記述した。

第111回 『どんな境遇、状況でも 前進する』 〜 尺取虫運動に学ぶ 〜

2025年12月22日 筆者が代表を務める『がん哲学外来市民学会』主催のZoom ミーティング【第21回『つながるカフェ』(事務局 嶋田弥生氏)】に参加した。『がん哲学外来市民学会は 認定コーディネーターを中心に会員ボランティアにより運営する団体です』と紹介されている。今回のスピーカーは【茨城県の『古河はなももカフェ』の代表・担当者の三橋惠子氏であった。 『謙虚で、常に前に向かって 努力されている姿』には、大いに感動する。 大変有意義な貴重な時となった。【『がん哲学外来から広がる言葉の処方箋』は、まさに『いい覚悟で生きる』(添付)の心得】となろう!

12月23日は、『第82回多摩川せせらぎ メディカル・カフェ』(代表:岡内泰子氏)(田園調布せせらぎ館)に赴く(添付)。【OCCでのようにスピーチをして頂けたらと思っております。あと個人面談にお時間を頂ければ有難いです。その後、場所を移して7周年を祝います。 多摩川の畔までお運び頂き、関係者参加者に先生の生トークに触れさせていただければ幸いです。】との心温まる依頼であった。

『他人の苦痛に対する思いやり』は、『がん哲学外来メディカル・カフェ』の真髄である。まさに、【『欣然たる面貌、快然たる微笑をもて』= チアフルな顔付を以て人に接し、見ず知らずの人に対しても、少しの親切でもしてあげるという心もちで暮らせば、社会はどれだけ温かくなるかも知れない。& 『何事も 最初の一歩が大事である。花は芽にあり、大人の心は 三つ児に始まる。今年の事業は 今日の心に起こる』】(新渡戸稲造:1862-1933)の実践であろう。

筆者は、若き日、【『尺取虫運動 = 自分のoriginal pointを固めてから、後ろの吸盤を前に動かし、そこで固定して前部の足に前に進める。 かくていつも自分のoriginalityを失わないですむ』&『どんな境遇、状況でも 確実に 前進できる人物になれ』】を教わったものである。 まさに『人間社会の病理 〜 尺取虫運動に学ぶ 〜』である。

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