第89回 『病気』であっても『病人』ではない 〜 『思いやる心』 & 『慈愛の心』 〜
筆者は、2025年9月3日『新渡戸稲造記念センター』(中野駅)より順天堂大学(
御茶ノ水駅)での『服部信孝名誉教授(学長補佐)の日本学士院賞受賞特別記念講演会』に出席した(本郷・お茶の水キャンパス 7号館小川講堂に於いて)。 会場は、多数の参加者であった。 大いに感動した。
小川秀興理事長 祝辞
服部信孝先生のご講演「パーキンソン病の解明に挑む」
花束贈呈
『純度の高い専門性』の服部信孝先生の講演には、感激した。【パーキンソン病のほとんどは非遺伝性(孤発性)で、遺伝はしませんが、5〜10% の患者さんには家族歴があり、これを家族性(遺伝性)パーキンソン病とよびます。】とHPには紹介されている。
~ 人は、病気とともに どのように生きていくのか ~
1) 病気になったとき、人はどのように感じ、何を考えますか?
2) 家族は、どのように患者さんを 支えることができますか?
3) 周りの人は、どのように患者さんを 支えることができますか?
4) 人の支えは、患者さんに、どのような効果をもたらしますか?
【『遺伝病も単なる個性である』の社会構築】は、人類の進むべき方向であろう!!
2008年 順天堂大学病院で【『病気』であっても『病人』ではない社会の構築を目指して『がん哲学外来』が開設】された。【『相手を思いやる心』&『患者に対する慈愛の心』の姿勢を貫いて『純度の高い専門性と社会的包容力』の『訓練と実践の場』】でもある。
第87回 『居場所の重要性』 〜 がん細胞から人間社会の病理を見る 〜
2025年8月26日は、『福島県立医科大学附属病院がん相談支援センター』で2009年スタートした『吉田富三(1903-1973)記念福島がん哲学外来』に赴く。【福島県出身の世界的病理学者 吉田富三博士を記念して、吉田博士の孫弟子 樋野興夫先生と『福島がん哲学外来』を開設いたしました。 患者さんの思いや日常生活の悩みを受け止め、じっくりと対話する“心の診療室”です。 がんにまつわる悩み・不安を持って生きる患者さんと そのご家族の受診をお勧めします。】と謳われている。 ただただ感謝である。
『吉田富三記念 がん哲学外来』は、福島県出身で『吉田肉腫』&『腹水肝癌』の発見などで世界的に知られ、文化勲章を受けた福島県出身の病理学者:吉田富三を記念して、2009年に福島県立医科大学で開設された。 筆者は、医師になり、癌研究会癌研究所の病理部に入った。 病理学者であり当時の癌研究所所長であった菅野晴夫先生(1925-2016)の恩師である吉田富三との『邂逅』に繋がった。 菅野晴夫先生とは、【2003年『日本病理学会』と『日本癌学会』で『吉田富三生誕100周年記念事業』(添付)】を行う機会が与えられた。 必然的に『がん哲学 = 生物学+人間学』、さらに 2008年『陣営の外 = がん哲学外来』(添付)へと展開した。
吉田富三は、『医学者としてのみならず、癌という病気を通じて社会の原理まで言及す言葉』を多数残している。『癌細胞で起こることは、人間社会でも起こる』を学び、2004年『がん哲学 〜 がん細胞から人間社会の病理を見る 〜』(to be出版)(添付)を出版するという時を与えられた。 2013年には『吉田富三生誕110周年記念』を企画され、新聞記事が大きく掲載された(添付)。 2019年『吉田富三記念福島県立医科大学がん哲学外来10周年記念講演会』も企画された。 『居場所の重要性』を痛感する日々である。