第30回 『教育の姿』 〜 『役割意識 & 使命感』の備え 〜
2024年11月11日千葉県千葉市にある『東京情報大学看護学部』の教授:小島善和先生から依頼され『病理学』の3時限目と4時限目の授業に赴いた。『教科書:ナーシング・グラフィカ 病態生理学』(MCメディカ出版)を用いて今回は、『細胞障害•変性と細胞死』&『腫瘍』の箇所を音読しながら進めた。 学生の『謙虚で、常に前に向かって 努力されている姿』には、大いに感動した。
11月12日は、『高松宮妃癌研究基金」第52回国際シンポジウム 〜 新技術と新概念によって進歩するがん研究と医療(Cancer Research and Medicine Advanced by Emerging Technologies and Innovative Concepts)(パレスホテル東京に於いて)招待された。 海外からは19名が参加させていた。 想えば筆者は、1999年 【New Frontiers in Mechanistic Cancer Research in Animal Models】を企画担当する機会が与えられたものである。 2003年には、高松宮妃癌研究基金学術賞(The Prize of Princes Takamatsunomiya Cancer Research Foundation)を頂いた。
その後、南原研企画委員会にZoom参加した。 【第21回『南原繁シンポジウム』(2024年11月4日 学士会館に於いて)テーマ『あらためて戦争と平和を考える ― 世界における法秩序の脱構築をめぐって ―』(主催:南原繁研究会/ 後援:岩波書店、学士会、東京大学出版会、公共哲学ネットワーク/ 協賛:富山県立小杉高等学校同窓会)】(添付)の良き反省会ともなった。 大変充実した貴重な時であった。『南原繁研究会』は、南原繁(1889-1974)没後30年にあたる2004年に発足した。今年(2024年)は【南原繁研究会発足20周年&南原繁没後50周年】でもある。 筆者は、3代目の南原繁研究会代表を仰せつかっている。
南原繁は、若き日にイマヌエル・カント(Immanuel Kant 1724-1804)の『永久平和論』に接して以来、最晩年の著作『政治哲学序説』に至るまで、正義に基づく永久平和が最も大切な政治価値であり、それを実現する国際政治秩序について考察を重ねた。 筆者は、南原繁が東大総長時代の法学部と医学部の学生であった二人の恩師から、南原繁の風貌、人となりを直接うかがうことが出来た。 南原繁は、【『高度な専門知識と幅広い教養』を兼ね備え『視野狭窄にならず、複眼の思考を持ち、教養を深め、時代を読む具眼の士』】と教わった。 南原繁は、内村鑑三(1861-1930)と新渡戸稲造(1862-1933)から大きな影響を受けた。 新渡戸稲造は、日露戦争後7年間、第一高等学校の校長を務めているが、南原繁は新渡戸稲造校長時代の一高で学び、影響を受けた。 一高時代、南原繁は『聖書之研究』を読み始め、東大法学部に入学後、内村鑑三の聖書講義に出席するようになった。
東大卒業後の南原繁は、内務官僚から学者に転進し、ヨーロッパ留学を経て東大教授となり、政治学史を担当、政治哲学を深めていき重要な著作を発表する。 そして戦後、東大総長に就任、国家の再建を呼びかけ、戦後改革の理想を掲げて、ことに教育改革に主導的役割を果して行く。【『役割意識 & 使命感の自覚 & 練られた品性と綽々たる余裕』は『教育の真髄』である。 一見『理解不能モード』である複雑な現代社会・混沌の中での『一筋の光』】を学ぶ日々である。