第107回 『理論的な態度』 〜 『高度な専門知識と幅広い教養』〜
2025年11月6日、DNAの分子構造『核酸の分子構造および生体における情報伝達に対するその意義の発見』で、1962年にノーベル生理学・医学賞を受賞したジェームズ・デューイ・ワトソン(James Dewey Watson)(1928年4月6日 – 2025年11月6日)が97歳で亡くなった。 筆者は何時も 病理学の学生講義で 教科書からDNAの構造を語る(添付)。 筆者は病理医となり 顕微鏡で細胞を観て、『風貌を診て、心まで読む = 人生の根幹を追求する』を学んだものである。
筆者は、2025年12月3日 南原繁(1889-1974)研究会代表としてZoom会議『南原繁研究会企画委員会』に出席した。 企画委員会の村井洋委員長の司会で進められた。【『2026年の第23回南原繁シンポジウムの企画』&『南原繁研究会だより』の製作】などの審議がなされた。 大変に有意義な企画委員会で、大いに勉強になった。 2025年11月3日(文化の日)には【第22回南原繁(1889-1974)シンポジウム『敗戦後80年、戦後日本の歴史を見つめ直す』】(日本教育会館に於いて)が開催された。 筆者は、2004年にスタートした南原繁研究会【初代代表、鴨下重彦先生(1934年-2011年、東京大学名誉教授、国立国際医療センター名誉総長)、第2代代表、加藤節先生(成蹊大学名誉教授)】の3代目の代表を2019年『南原繁生誕130周年』を祝し、仰せつかった。
南原繁が東大総長時代の法学部と医学部の学生であった二人の恩師から、【南原繁は『高度な専門知識と幅広い教養』を兼ね備え『視野狭窄にならず、複眼の思考を持ち、教養を深め、時代を読む 具眼の士』&『教養ある人間とは、自分のあらゆる行動に普遍性の烙印を押すことであり、自己の特殊性を放棄して普遍的な原則に従って行為する人間のことである』&『人間の直接的な衝動や熱情によって行動する代りに、つねに理論的な態度をとるように訓練されることである。』】(南原繁著作集第三巻)と教わったものである。
第106回 人生の根幹を追求する 〜 『心の蔵の中に深く入れる』 〜
2025年11月28日 四ツ谷駅に向かい【聖イグナチオ教会イグナチオ朝祷会】(東京都千代田区麹町)での講演(7:30〜8:30)に赴いた。 その後、筆者は、四ツ谷駅 ―> (丸の内線) ―> 池袋駅 に向かい 病理医としての定例の『病理組織診断業務』を担当した。【『病理学』 は 『形態』、『起源』、『進展』などを追求する学問分野である。】&【病理組織診断は、『風貌を診て、心まで読む = 人生の根幹を追求する』でもある。『がん哲学 = 癌細胞の病理と人間社会の病理 = 生物学と人間社会』の原点である。 病理学者が『がん哲学外来』を創設出来たのは ここにあろう!】。
終了後、筆者が出演している映画【『がんと生きる言葉の処方箋』&『新渡戸の夢』】(添付)の『製作担当された方』 と 『朗読劇を主催されている俳優の方』と 池袋メトロポリタンホテル喫茶店で お逢いした。 大変有意義な充実した貴重な時となった。 いつか、【筆者の本の朗読劇】が企画される予感がする。
11月29日 早稲田大学エクステンションセンター中野校での『ジャンル 人間の探求』:【がんと生きる哲学 医師との対話を通して『がん』と生きる方法を考える】(10:40〜12:10)に赴いた。 テキストは『新渡戸稲造 壁を破る言葉』(三笠書房2023年10月15日発行)を使用した。 今回は【4章38節『常に“平然と”生きてゆきたい』 & 39節『自分のことばかり考えているのは恥と思え』 & 40節『美しく逝く』】の箇所を受講者に音読して頂き、質問を受けながら進めた。 多数の真摯な質問には、大いに感動した。
新渡戸稲造(1862-1933)の『知力』=『良書を読み、有益な話を聞き、自分以上の人と交わり、ときには瞑想して心に得たことを、心の蔵の中に深く入れるようにしたい』が、今回鮮明に蘇った。




