一般社団法人がん哲学外来

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21世紀のがん哲学 樋野興夫
〜すこしの時間ご一緒しませんか?
ちょっと立ちどまり、一息つき、考えるときを持ち、歴史人に思いをはせる~

第98回 『少年よ大志を抱け』 〜 『がん哲学・外来の原点』 〜

2025年10月14日 山梨県甲府市の山梨英和中学・高等学校校長を務められていた 岩間孝吉先生より冊子【『甲府商店街 わくわくフットバス ガイドブック 04』明治・大正・昭和・平成なつかしいこうふ商店街めぐり4』】が送られてきた。 【『ボーイズ・ビー・アンビシャス』精神を伝えた『甲府中学校』は甲府城跡にあった。】の箇所で『大島正健(札幌農学校一期生)』の記事を拝読した。

2015年 海老名総合病院(神奈川県)での【がん哲学外来開設記念講演 〜 第1回大島正健記念 がん哲学外来シンポジウム 〜】に、大島正健のお孫さんの大島智夫先生も出席され、ご挨拶もして頂いた。『クラーク先生とその弟子たち』(大島正健著、大島正満、大島智夫 補訂;教文館1993年)も拝読し、ウィリアム・クラーク(1826-1886)の『Boys, be ambitious !』の由来を学んだものである。

【札幌農学校(現在の北海道大学)を率いたクラークが1877年『その地を去るに臨んで、馬上から学生に向かって叫んだ言葉』と『ボーイズ・ビー・アンビシャス(boys be ambitious)』を『少年よ大志を抱け』と訳したのが大島正健である】と大島智夫先生から伺ったものである。 クラーク精神が内村鑑三(1861-1930)、新渡戸稲造(1862-1933)、南原繁(1889-1974)、矢内原忠雄(1893-1961)を生んだ。 この4人の読書遍歴が 筆者の『がん哲学・外来の原点』(添付)である。

2025年9月25日〜27日 金沢での第84回日本癌学会学術総会大会長は、大島正伸先生(金沢大学教授)であった。 2003年 お茶の水の東京ガーデンパレスでの、筆者の順天堂大学教授就任記念シンポジウム【『われ21世紀の新渡戸とならん』(イーグレープ出版)(添付)】に、大島正伸先生のお父様(大島智夫先生)が出席された。 神奈川県海老名市の大島智夫先生のご自宅での会食にwifeと招待されたことが、『人生の忘れ得ぬ想い出』である。

第97回 『一周おくれの先頭の責務』 〜 手をさしのべる 〜

今週(2025年)は、講義3連チャンであった。
10月6日 順天堂大学院医学研究科博士課程『腫瘍医学』の講義

【イントロダクション】
10月8日 順天堂大学大学院修士課程の留学生向けの英語による講義

【Overview of Human Pathology and Oncology 病理腫瘍病態学概論】
10月9日 順天堂大学院医学研究科博士課程『腫瘍医学』の講義

【がん研究の最前線】
「病理医の3か条」(下記)の原点回帰となった。 貴重な週となった。

『病理医の生涯教育』の意義
1)病理医は生涯の学徒である。
2)何故ならば、患者は最新・最良の診療を期待しているからである。
3)専門家でさえ、日々の努力を怠る時に、専門家とは言えなくなる。

『病理医の2つの使命』
1)「学問的、科学的な責任」で、病気を診断・治療するー>学者的な面
2)「人間的な責任」で、手をさしのべるー>患者と温かい人間としての関係

『病理医の3か条』
1)病理医は生涯書生
2)病理医は社会の優越者ではない
3)医業には自己犠牲が伴う

【一周おくれ(青色)の先頭の責務『人生の目的は品性の完成』】(添付)の時代的要請を痛感する日々でもある。

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