一般社団法人がん哲学外来

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21世紀のがん哲学 樋野興夫
〜すこしの時間ご一緒しませんか?
ちょっと立ちどまり、一息つき、考えるときを持ち、歴史人に思いをはせる~

第97回 『一周おくれの先頭の責務』 〜 手をさしのべる 〜

今週(2025年)は、講義3連チャンであった。
10月6日 順天堂大学院医学研究科博士課程『腫瘍医学』の講義

【イントロダクション】
10月8日 順天堂大学大学院修士課程の留学生向けの英語による講義

【Overview of Human Pathology and Oncology 病理腫瘍病態学概論】
10月9日 順天堂大学院医学研究科博士課程『腫瘍医学』の講義

【がん研究の最前線】
「病理医の3か条」(下記)の原点回帰となった。 貴重な週となった。

『病理医の生涯教育』の意義
1)病理医は生涯の学徒である。
2)何故ならば、患者は最新・最良の診療を期待しているからである。
3)専門家でさえ、日々の努力を怠る時に、専門家とは言えなくなる。

『病理医の2つの使命』
1)「学問的、科学的な責任」で、病気を診断・治療するー>学者的な面
2)「人間的な責任」で、手をさしのべるー>患者と温かい人間としての関係

『病理医の3か条』
1)病理医は生涯書生
2)病理医は社会の優越者ではない
3)医業には自己犠牲が伴う

【一周おくれ(青色)の先頭の責務『人生の目的は品性の完成』】(添付)の時代的要請を痛感する日々でもある。

第96回   枠を超えた学びの環境 〜 人生の原点 〜

2025年10月7日Wifeは、CAJ高校一年生と教師と【日本バイブル•ホーム(The Japan Bible Home 群馬県):『壁のない学校』(school without walls:従来の学校の枠を超えた学びの環境を指します。)】に向かった。

2025年のノーベル生理学・医学賞は、坂口志文・大阪大特任教授(74)ら3氏に授与すると発表された。授賞理由は【細菌やウイルスなど外敵を退治する免疫機能が誤って自分の体を攻撃しないよう抑える免疫細胞『制御性T細胞』を発見し、その働きを解明した功績】とのことである。

『ながれやま・がん哲学外来カフェ』代表:春日井いつ子氏から【以前免疫の本を出した義兄は大阪大学にいた頃、昨日ノーベル賞を受賞した坂口先生にお世話になったそうです。 坂口先生は『志文:シモン』。 お兄さんは『偉作:イサク』との名前を知りご両親はクリスチャンかなとおもいました。『志文』の命名の意図については、京都帝国大学文学部哲学科出身で西洋哲学に造詣の深かった父が聖書から引用して命名したとのこと。―― 坂口先生は『夜と霧』を読んで感銘を受けたと新聞で読みました。】との有意義なメールを頂いた。

想えば、筆者とwifeは、毎年、南原実(1930-2013)先生宅でクリスマス会に伺ったものである(添付)。 奥様が作って頂いた美味しい夕食を食べながら学びの時であった。『南原実は、ドイツ文学者。東京大学名誉教授。 父は東京大学総長を務めた法学者の南原繁(1889-1974)』とHPでは紹介されている。レイチェル・カーソ(1907-1964)の『沈黙の春(Silent Spring)』を翻訳されたのは、南原実先生で、【『沈黙の春』の最終章『べつの道』の『私たちは、いまや分れ道にいる。』、『どちらの道をとるか、きめなければならないのは私たちなのだ。』】は、『人生の原点』にもなった。

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